第一回:女性にとって極めて不愉快なチカン被害を未然に防ぐには?
第一回:女性にとって極めて不愉快なチカン被害を未然に防ぐには?
女性に身近な犯罪被害といえば、通勤や通学などで利用する電車内の「チカン」である。
近頃は男性でも身に覚えのないチカン行為で「えん罪」の被害も報告されている。せっかく勇気を出してチカンを突き出したが、
実は別人だった……では、チカン被害に遭った女性にとっても、また突き出された男性にとっても不幸である。
犯罪行為であるチカンを決して許さないために、まずは被害を未然に防ぐこと。これが重要だ。
そして、万一被害を受けた際には、断固としてチカンを突き出す意思を持とう。
一度でもチカン被害に遭った女性は、再び遭うと考えた方がよい。中には何度でも被害を受ける人も多いのだ。
しかし、不愉快かつ明らかな犯罪行為を許してはいけない。被害を未然に防ぐためにできることは何か。
まず、自分はチカンに対して、被害を受けたらどうするか?
これをあらかじめ考えておこう。「決して許さずに突き出す」のか、あるいは「私はきっと恐くて声も出せない」など、
人それぞれだろう。性格や考えに合った対策が必要になる。声が出せないのならば、
代わりに音を出して警告する「防犯ブザー」を携行するとよい。見えるように手に持っておき、
何かあればすぐに操作できるように準備しておこう。突き出すつもりならば、犯人を確実に特定するために
手首をつかんで声を上げるなど、その場面を想定してシミュレーションしておく。そして、必ず周囲の人に協力を要請しよう。
電車に乗る前から対策は始まる。漫然と電車に乗り込むのではなく、周囲にチカンはいないか、
を確かめながら乗るのが大切である。チカンはホームにいる時から獲物を探すことがある。
整列乗車の列に「降りるときに便利だから」と、いつも決まった位置から乗り込むのは避けたほうがいい。
周囲を見回して、あやしい視線や動きをする男がいないかチェックしてみよう。
ときには列を移動して、ついてくる人物がいないか確認するのが手だ。
鉄道会社によっては、女性専用車両を導入しているところもあるが、たいていは深夜帯の電車だったりする。
そこでできれば、女性が多い列を選ぶのを心がけてみるのはどうだろう。
女性が多ければ、混んだ車内で男性に取り囲まれる割合も少なくなり、ひいてはチカン被害を受ける確率も減る。
列に並ぶ時も、車内に乗り込む時も、少しでも安全なレベルに自分を置くようにするのだ。
当然、列の自分の後ろに並ぶ男性にも注意が必要になる。チラリと振り返り、男の手元を見るのもいいだろう。
自分は警戒しているという無言のさりげないアピールだ。
「手を出したらヤバイ!」と
思わせるオーラを持とう
車内でもやはり自分を取り巻く人々を観察しよう。
吊革やポールにつかまって、もう一方の手でカバンや新聞を持っているなど、手が下にいってないかどうかを見る。
えん罪を恐れる男性が、車内では両手を挙げていたいくらいだ、ということも聞く。
またチカン行為は手だけによるものではない場合もある。中には肘やカバンを使って、
グイグイと押してくるなどの迷惑行為もあるのだ。自分の体に触れるものや不快なことには敏感に対応し、
言葉や表情や態度で意思表示をしよう。
犯人は、チカン行為をされても何も言えないような女性を狙う。チカン行為をさせないために、全身で拒絶するオーラを出そう。
犯人は捕まることを恐れている。「この女に手を出したら、チカンだと突き出されそうだ」と思う女性に対して、
チカンは手を出さない。そうしたオーラを出すために、日経新聞や英字新聞を読むことも有効である。
「この女にはかなわないな!」と思う女性を演出することで、チカン被害は多分に避けられる。
また、目の動きが分からないくらいの濃い色のサングラスも効果がある。男性でも濃いサングラスをかけた人には近寄りがたいが、
女性でも同じである。顔や目を見て相手を判断するのだから、表情が読めないような相手はチカンも敬遠するのだ。
いざという時に声を出せない女性も多い。突然やってくる“本番”をこなすには、シミュレーションがもっとも効果がある。
相手の手首をつかみ、「この人チカンです! つかまえてください!」と大きな声が出せるように、
その場面を想定して、イメージトレーニングを繰り返しておこう。
イメージトレーニングは、何度も繰り返せば自己暗示の効果もあり、いざという時に役立つはずだ。
ただ電車に乗るのではない。電車内で起こりうる被害を事前に想定して対策を考え、実際に適度な緊張感を持って警戒する。
ただし緊張が過ぎてはかえって不自然になる。さりげなさの中に「私はチカンを許さない」という意思を持ち、
万一の際にはスムーズに対処する。自分の危機管理能力を発揮するのは自分でしかないのである。
第二回:小っちゃな守護神