「第三回:“死角い”密室」の版間の差分

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“死角い”密室(連載第3回)<br>
“死角い”密室<br>
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 自宅が中・高層住宅であれば、エレベーターを毎日利用することだろう。<br>
 自宅が中・高層住宅であれば、エレベーターを毎日利用することだろう。<br>

2007年6月15日 (金) 13:24時点における最新版

“死角い”密室

 自宅が中・高層住宅であれば、エレベーターを毎日利用することだろう。
低層住宅であっても、勤務先がビルならば1日最低1往復は乗ることになる。日常的な便利な乗り物である。

 勤務先などで朝や日中、たくさんの人と乗る時や、デパートなど混雑した建物内で乗る時には、不安を感じることは少ないだろうが、
オフィスビルのエレベーターでも、たまたま1人で乗っている時に突然見知らぬ人が乗りこんできたら、緊張することがあるのではないか。
また、なんといっても自宅のある集合住宅で朝晩エレベーターを利用する人にとっては、
夜間の利用は朝や日中に比べて緊張の度合いが高いだろう。

 実際にエレベーター内で見知らぬ男性と2人きりになってしまったときに、わいせつ行為を受けたことのある女性は少なくない。
時には暴力を受けることもあり、最悪、殺人事件で“帰らぬ人”となった女性もいるのだ。
都内の雑居ビルでそうして殺された事件の犯人はまだ捕まっていない。
やはり都内のマンションなどのエレベーター内で暴行事件を繰り返していた男が、
防犯カメラに写った顔写真を公開され逮捕された事件があったことを覚えている人も多いだろう。

 閉ざされた空間で、数十秒からせいぜい1、2分だろうが、見知らぬ他人と過ごす時間はあまり居心地のいいものではない。
なぜ居心地が悪いのかというと、手を伸ばされれば届く距離にいることは不安なのである。
女性は被害を受けるかもしれない状況は本能的に恐れるものだ。
普通の男性も誤解されることを恐れ、女性に背を向けドアの前に立ち、咳払いをしたり、身なりを整えるなどしてさっさと降りる人が多いようだ。

 女性も男性も「密室」で一緒になることに不安や居心地の悪さを感じているのだ。
ところが、悪いことをしようとする人にとっては、ドアが開くまでは同乗者以外の目もなく、
思い切った行為をすることができると考えているのではないか。誰の目にも触れない死角だからだ。
とくに女性にとっては、不安な場所で不安な時間を過ごすことになるエレベーターの乗り方をあらためて考えてみよう。

乗る前に回りをチェック!
エレベーター内では回数ボタン前に

 まず利用するエレベーターそのものをよく見て知っておこう
。防犯カメラは付いているか、非常ボタンの位置は、非常時に応答してくれる管理人はいるか、などである。
その上で、基本的に「乗る前」「乗ってから」「降りるとき」の三段階で注意することだ。

 自宅のある集合住宅まではつけてくる人もなく無事についたとして(帰宅経路での注意点については別の機会に述べる)、
エレベーターに乗り込む前、エレベーターホールにいる時から注意が必要だ。
建物の構造を見て、集合郵便受けの位置や、大きな鉢植えがあったり柱の陰になって見えない場所、非常階段や非常口のドアもできれば見ておこう。
人が潜んでいられる場所はすべて見る。つまり「死角」を総点検するのだ。

 思ってもいなかったのに続けて誰かが乗り込んできたような場合は、自分の目に相手が映っていなかったということで、
それは自分が周囲をよく見ていなかったということなのだ。周囲に誰もいないことを確認してから乗り込む。
1階に停止したままであれば誰も乗っていない可能性が高いが、上から降りてきたり、
停まっていても誰かが中にいることもありえるので、ドアが開いてすぐ乗り込もうとはしないこと。
ドアの正面を避けて立ち、内部に誰もいないことを確認してから乗り込むようにしよう。

 続けて誰も乗り込んでこないことを確認してから自宅の階数ボタンを押して、ボタンの前に立つ。
途中階から乗り込んできた人に奥に追いやられると危険なのでボタン前の位置は確保しておこう。
また、実際に危険な事態となった時には、そのとき一番近い階とその他押せるだけ階数ボタンを押すようにする。
ドアが開く回数が多いほど脱出の機会が増えるからだ。

 もし待ち伏せなどの危険性が考えられるような時は、最上階のボタンを押してエレベーターをいったん降り、
無人の状態で動かして、停まる階がないか階数表示をよく見てみよう。
一度も停まらず上まで行けば、待ち伏せされている可能性は低いだろう。そうして確認した上で乗り込むようにしよう。

3つ以上の階のボタンを押しておけば
自宅階が探されない

 自宅階で降りたら、ボタンを押して1階に戻しておくこと。自宅階で止めたままにしておくと「私の家は○階です」と他人に教えることになるからだ。
さらに、たとえば誰かに尾行されてたり、万一誰かに見られて、乗り込んだエレベーターの停まった自宅階を知られると困る、
といった場合は、少なくとも3つの階のボタンを押そう。2つだけなら確率は1/2だが、3つの階で停まれば、どの階に自宅があるのか、探るのは難しくなる。
自宅が5階だとすれば、3、5、8階などのボタンを押しておけば、何階で降りたのかわからなくなるだろう。

 自宅階の他に、いくつかダミーの階で停まらせるということだ。できればそうするために、
日中安全な時に、他の階がどうなっているか見ておくとよいだろう。
ただし、夜間はとくに音が響くので、最近の女性のミュールやサンダルなど靴音を響かせてしまっては何階で降りたかわかってしまい、意味がない。
足音に注意して降りるようにしよう。

 降りる時もドアの真ん前に立ってドアが開くのを待ってはいけない。待ち伏せされていたら襲われてしまうだろう。
ボタンボードに手をやって、非常ボタンや開ボタンを意識しながら、乗り込んでくる人や周囲に異常がないことを確認してから降りること。
誰かと一緒に乗っていた場合は、降りたあと振り返ってエレベーターを見て、ついてくる人がいないことを確認しよう。
降りた時につけられていることに気がつかず、自宅ドアのカギを開けた瞬間に後ろから押し込まれて被害を受けるケースが少なくないからだ。

 一度でも被害を受けたり恐い思いをした人はその後、過敏に注意するようになる。
エレベーターの乗り方に気を使うようになるのだ。しかし、被害を受けてからではなく、普段から注意して利用すれば「被害を未然に防ぐことができる」のである。
エレベーターに乗るのに免許はいらないが、安全な乗り方をマスターしておくとよいだろう。
エレベーターは“死角い”密室なのだから。



第四回:コンビニ作法--コンビニ安全活用術