ヤコブ・ニールセン
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ヤコブ・ニールセン(Jakob Nielsen、Ph.D.)はアメリカの博士 (工学)|工学博士。デンマーク工科大学出身。
主にウェブサイトにおける、ユーザビリティ(使いやすさ)研究の第一人者。
【ヤコブ先生の名言】
- 優秀なデザイナーであっても、売れる製品を生み出せるのは、的を射た問題解決につながるデザインができたときに限られる。
素晴らしいインターフェイスも、見当違いの機能にあてられては失敗に終わるしかない。
- デザインは、不確かな科学である。どんなに優秀なデザイナーでも、出てくるアイデアのすべてが等しく素晴らしいとは限らない。
リスクを減らすこと、つまり、顧客の協力を得てユーザテストなどを行い、デザイン案がユーザに受け入れられるかどうかを確認することが賢明だ。
そして、クオリティを上げるために、デザインを繰り返しながら、要所要所でユーザビリティ評価を実施して磨きをかけていこう
- テレビを見ている間は、人間はほとんど植物状態であり、コマーシャルの第一の目的は、ユーザの手をリモコンから遠ざけ、できるだけ操作させないようにすることである。
ユーザが見てくれている限りは、製品の品質の高さを吹き込むことができ、「優れています」という以上のことはほとんど何も言う必要がない。
一方、ウェブ上のユーザは通常何らかの目的を持ってウェブを利用しており、広告によってその目的からそれてしまうことはめったにありえない。
能動的にユーザが関与することが、ウェブをより認知的なものにしている。
どのハイパーテキスト・リンクをクリックしたらいいのか、どうナビゲートしたらいいのかを考えるのはユーザだからである。
ユーザは「体験する」ためではなく、何かを成し遂げるためにウェブを利用しているのである。ウェブは単なる「顧客志向の」メディアではない。顧客優位のメディアなのだ。
- ユーザビリティとは、ユーザ・インターフェイスがいかに使いやすいかを示す質的属性である。
「ユーザビリティ」という言葉はまた、デザイン・プロセスにおいて使いやすさを向上させるための手法をも意味している。
ユーザビリティには、5 つの質的な構成要素がある
1.学習容易性:初めてそのデザインに触れたユーザが、どれくらい容易に基本的なタスクを達成できるようになるか?
2.効率性:いったんそのデザインを学習したユーザが、どれくらい迅速にタスクを達成できるようになるか?
3.記憶性:しばらく使用しない期間をはさんだ後、再びそのデザインに戻ってきたユーザが、どれくらい容易に習熟度を取り戻すことができるか?
4.エラー:ユーザが犯すエラーの数、そのエラーの深刻さ、そして、そのエラーからの回復の容易さはどうか?
5.満足度:そのデザインを使うのは、どれくらい楽しいか?
- 私たちは、混乱を招くようなデザイン要素は排除し、できる限り慣習的な方向に移行していかなくてはいけない。
さらに言えば、重要なウェブサイトでのタスクに対して、デザイン標準を確立すべきだ。
なぜウェブサイトはデザイン標準に従うべきなのか?
その理由は1つで十分だ。
インターネット・ユーザ体験についての Jakob の法則:『ユーザは、大部分の時間を他のサイトで過ごしている。』
他のサイトを訪問することによって、人々は共通性の高いデザイン標準や慣習に慣れ親しむことになる。
したがって、あなたのサイトを訪れたとき、他のサイト同様に機能することを期待するのだ。
- 検索を行うとき、ユーザの頭に浮かぶのは、慣れ親しんだ言葉だ。
もし使い古された言葉よりも、造語や新語を使っているならば、ユーザは貴方のサイトをみつけることはない。
「ユーザの言葉を使うこと」というのが、20 年以上ユーザビリティの基本ガイドラインでいわれていることだ。
ウェブという環境が言語を基礎に成り立っていることによって、正しく言葉を使うことが、とても重要になっている。
- 明確なコンテンツ、容易なナビゲーション、そして顧客の疑問に答えることが、ビジネス価値に最も反映する。
先進的な技術を使うことによる影響は、それと比較したら微々たるものだ。
ビジネス価値を失わせてしまうデザインの欠陥は、典型的に以下のようなことに関係している:
・ユーザが理解できるように、明確に伝える。最初にウェブサイトを訪問したとき、ユーザたちは最小限の時間しか費やさない。
そのため、そのサイトに時間を費やすだけの価値があることを、すぐに確信させなければいけない。
・ユーザが探している情報を提供する。ユーザたちは、貴方の提供しているサービスが彼らの要求を満たしているのか、
またどうして貴方と取引をするべきなのかを、簡単に判断できなければいけない。
・容易に理解できる統一性のあるデザインと 明確なナビゲーションを提供し、ユーザたちが探している情報を、期待値通りの場所にみつけられるような情報構造を提供する。
- 使いやすいインターフェイスをデザインするためには、ユーザの発言ではなく行動に注目すること。自己申告による主張は信頼性が低い。それは、将来の行動に関するユーザの推測だからである。
ユーザの声にもとづいてデザインするのはいいのだが、その収集手法が間違っているというケースを、非常によく耳にする。典型的な例をあげよう。
デザインの代替案を数点作成してユーザグループに見せ、どれが一番好きかを聞く、というものだ。
違う。実際にそのデザインを使ってみたのでない限り、ユーザは外見的特徴にもとづいてコメントするしかない。
この種の意見は、実際の利用にもとづいた意見とは著しく異なったものになることが多い。
- ウェブ上のユーザたちは、ハイパーテキスト・リンクは別のページを読み込むべきだという、明確な思考モデルを持っている。
このため、 ページ内リンク(アンカー)はこの思考モデルに反するため、混乱を招く。
ユーザは、リンクをたどるときの明確な思考モデルを形成済みで、それはいくつかの要素に分けることができる。
【1】リンクをクリックすることは、別の場所に移動する。
【2】クリックすると、前にみていたページは消える。
【3】新しく読み込んだページはウィンドウに読み込まれ、前にみていたページと入れ代わる。
【4】まずは、新たに読み込んだページの最上部がみえる。
【5】戻るボタンは、以前のページに戻る。
ユーザたちの思考モデルの全 5 要素すべてにページ内リンクは反している。
【1】ページ内リンクは、新たな場所に移動する代わりに、ウィンドウをスクロールさせる。
これはユーザを混乱させることになる。新しい情報を得られると思っているのに、クリックする前に既にスクロールしてページ全体をみていた場合、
既にみたことのあるコンテンツを再びみることになるからだ。
【2】前のページは、ウィンドウに残ったまま消えない。
しかしながら、ユーザたちは違うページをみていると思いこむため、「新たな」情報が既にみた情報とどこが違うのか探し始める。明らかに無意味な作業だ。
【3】異なるページがウィンドウに読み込まれない。同じデータの違う部分が表示されているだけだ。
【4】ページの最上部が表示されないで、典型的には、ナビゲーション・バーなど、普通はページ上部にあるデザイン要素がない、ページの中間部分のどこかに移動してしまう。
【5】戻るボタンをクリックしても、前のページに戻れない。同じページの中で、以前スクロールされていた場所に戻るだけだ。
これは、戻るをクリックする前に、ページの上部にスクロールしていたユーザにとっては2重に混乱させる原因になる。
ページ内リンクと戻るボタンのクリックを数回体験すると、ほとんどのユーザは、サイト内でどこにいるのか、完全な混乱状態におちいる。
私たちの調査では、典型的にページ内リンク(アンカー)は、節約する時間よりも、遙かに多い時間を無駄にすることがわかった。
ユーザたちが、同じコンテンツの中を何度も行ったり来たりして、同じものを繰り返し読んでしまうことに、なるからだ。
- 人間の短期記憶が蓄えられる情報量はたかが知れている。あまりたくさんのことを覚えさせようと思うと、そのデザインはエラーが多発し、使いにくいものになる。
記憶に過大な負荷をかけると、人間は忘れるはずだからだ。
また、ウェブサイトをデザインしているのなら、そのサイトはユーザにとっては数 100 万分の 1 に過ぎない。
彼らが他へ移動してしまうまでの間に、あなたに振り向けてくれる注意力はわずかなものだ。